コラム

お店づくりの大事なプロセスを、プロの視点で覗いてみませんか?
2011.06.13 |コラム

6月に入りまして、いよいよ梅雨入り本番です。
じめじめした蒸し暑い日々が続くと思うと・・・イヤな気持ちになります。

さて、“よろず相談”を始めてから早くも半年が過ぎてしまいました。。。店舗に関するたくさんのご相談をいただきありがたく感じております。
内容は不動産物件のご紹介はもとより、居抜きのご相談、店舗経営、内装についてなど様々です。
特に初めてお店を出される方は、不動産を借りる際の悩みがとても多いようです。
そこで”よろず相談員”としては不動産契約の順を追って必要なことをポイントにしてお伝えしていこうと思います。

今回は、不動産の申込みをスムーズに行なうノウハウをテーマにしてみました。
皆さんも店舗物件を探したことはあると思います。探す時にはネットや不動産屋さんに行って、物件の家賃・広さ・場所etc…を見て希望の物件やなんとなくいいな〜と思う物件を見つけていくと思います。
それから次に、気に入った物件を実際を見に行きます。(内覧ですね。)
そして、ココにしたい物件を見つけた時…※ここからがポイントです。

店舗用不動産物件の賃貸申込み手順
ポイント❶交渉
よく皆さまに聞かれるのが、物件の場所も広さもイイ感じなのですが・・賃料が少し高いので安くなりませんか?と必ず質問されます!!
内覧だけでは交渉はできません。
たくさんの方が、その物件の問合せや内覧をされていますので、本当に借りる気があるのか判断が出来かねるからです。
そこで、「この物件を借りたい」という、意思表示を建物の所有者にするために、物件の申込みをします。
申込みをすることによって、賃料や敷金など交渉をすることができるようになります。
(交渉ができない物件もありますのでご了承ください。)

次に申込み用紙の記載内容ですが、物件によっては専用の申込書があります。内容は若干違いますが〜ほとんどの方が悩まれるポイントがあります。

ポイント❷連帯保証人
物件の申込書には、必ず連帯保証人を1名ないし2名記入する欄があります。この時点では契約ではなく申込みなのですが・・・必要なのです!(もちろん契約時にも連帯保証人は必要です。)
ですから、不動産を探す時には〜特に初めて不動産契約をされる方には、保証人を2名確保しておくとスムーズに進むことが出来ます。
ほとんどの方が、連帯保証人には身内の方を記入されようとします。例えば、ご両親や兄弟・姉妹などの身内の方です。でも、ここにもポイントが・・

ポイント❸連帯保証人の条件
原則:収入がある方です。(ご両親が年金生活の方は保証人にはなれないケースもあります。)
また身内の方が同一世帯(同居)の方は、収入があったとしても難しくなります。
もちろん奥様も同様に保証人には難しいです。
このような制約があることを事前に知っておくとスムーズに進むことが出来ます。
ここまでが申込みになります。
物件を押さえて一安心。。。

申込み書類を作成完了したら…賃料や入居日がほぼ決まり”いざ。契約!”
と思っていたら、そうではないのです。

ポイント❹審査
物件のオーナーさんサイドとしては、この人に物件を貸して良いのか、借り主の身元や収入などを確認する為にも不動産の契約の前に保証会社の審査を受けていただくことがほとんどです。
その際は、物件のオーナーさんや管理会社指定の保証会社へ申請書を送り審査を受けます。
この審査では、クレジットの滞納(ブラックリストへの掲載)は無いかなど・・ご本人確認の審査及び連帯保証人の方の審査も行ないます。
この保証会社の審査まで終了して、物件のオーナーさんサイドに書類が受理されると正式な申込み完了になります。
保証会社の審査を通らないと全ての不動産物件の申込みも契約もできません。
出店する意欲はあっても・・先に進めない状況になってしまいます。

ここから価格交渉などの条件交渉がスタートです。
素晴らしい物件にはライバルがいたりしますし、オーナーさんも経営者として利益を追求する必要もあります。
私たちが不動産業者として業務を行うのは、貸し手と借り手がにっこり握手できるように調整をおこなって行くことです。
また、店舗専門で“よろず相談”を行っているのは、繁盛してきちんと続けて行けるお店になるように立地やマーケティング、経営面からの賃料の考え方など様々なアドバイスができると考えているからです。
私たちスタッフは、お客様と一緒に頑張る姿勢で取り組んでいます!

以上、4つのポイントをお伝えしました。皆さまには必要なことですので、十分に理解していただきスムーズな出店計画を進めて行きたいと思います。
次回は不動産契約でのポイントをお伝えしたいと思います!!


「お店のフシギ研究所」副所長兼研究員 川口聖未