コラム

お店づくりの大事なプロセスを、プロの視点で覗いてみませんか?
2011.03.21 |コラム

やっと、福岡にも春が来ました。
寒さが大の苦手の研究員見習いです。(北海道出身です…だから…暖かい海外にも住んでました ♪)

福岡には美味しい食材がたくさんあります。そしてその食材たちを素敵に活かすお店がたくさんあります。どのお店に入っても美味しい料理に巡り会えるという印象ですごく魅力的な街だと感じています。
気候が良くなると、レストランのテラス席でゆっくりランチなんて楽しみたいな〜と思って、チェックしてみると…
「あれ、このお店テラスなんてあったっけ?駐車場だったハズ?」「テラスがすっかり部屋になっている!?」とついつい法規的に大丈夫なのかなぁ?なんて、心配してしまうことも。

“自分のお店を持つ”というのは、マイホームを建てる想いと同じですよね。色んな想いを込めてこだわりをもって作ります。
ただ、こだわりを持ちすぎてついつい違反をしてしまうということもなきにしもあらず。
お店のフシギ研究所の研究員見習いとして疑問に思った点を解明すべく、まずは福岡市役所(福岡市住宅都市局・建築指導部建築審査課)の方にお話を聞きに行ってまいりました。


店舗の違反って?
『建築基準法』という法律がありますが、この法律の規定や地方自治体の条例に違反して建築や改築した建物または建物の敷地のことというのはおわかりだと思います。下記の行為を行う場合に届出(建築確認申請の提出)が必要ですが、それをしていないと違反建築となってしまうそうです。
では、具体的にどのようなものが違反になっちゃうのでしょうか。
 □建物の新築や増改築を行う場合
 □住宅用の建物を店舗用として用途の変更を行う場合
 □建物の屋根や外壁などの形、材料、色などを変更する場合
 □道路や建物の敷地の造成、駐車場やコートの整備を行う場合
そして、ビル等の建物に義務づけられている
駐車場(身障者用のものも含む)や荷さばき用駐車場は、台数が決まっていて、店舗専用のテラスに転用するのも違反になる可能性があるそうです。
もちろん、それを部屋にしてしまうとビルを勝手に増築したことになってしまいますので、ご注意!

それぞれ細かい制限があります。増改築など行う場合は、まずは市役所の建築指導部建築審査課に相談してみるのがいいですね。素人の私にも親切に説明していただきました。そして、「一応、福岡市のホームページも見ておいてね」ということでしたので、参考にさせていただきました。


違反した場合のペナルティ
違反建築が発覚したら?
もちろんペナルティがあります。
いったいどんなお仕置きがあるのかと恐る恐る聞いてみました。
まずは説明による指導を行います。
大家さんに対してはもちろん是正の義務がありますが、借り主に対して是正指導を行ないます。是正が完了するまで。
つまり、こういった流れで行われます。
①施工状況報告書の提出
 違反内容の確認を行います。
 * 施工状況報告書(建物に実体違反がないか)
  :現況がどのようになっているかを把握し、説明するための資料。
 * 顛末書等(始末書)
  :現状に至った事情や経緯を知るための資料。
②是正計画書の提出
 適法の確認を行います。
 * 是正計画書(是正案等)
  :適法状態にするための措置(方法)等を説明する資料。「是正期限」等を明記。
③是正措置の実行
④完了報告
   ※ 完了の現地確認立ち会い等を行います。

この一連の流れは建築設計事務所等に依頼をして行います。

それでは、もし指導に従わなかった場合、もっと強い命令などはあるのでしょうか?
もちろんあります。
工事の施工停止、建築物の除却、移転、改築、使用禁止など命令を行います。
「違反だからこれ全部壊しなさい」という強い命令はないけど、増改築をした一部を壊しなさいという指導はあるそうです。
  *除却:資産の取り壊しや廃棄すること。

また、重大な危険性がある場合や社会的影響がある場合は強制執行もあり得るそうです。例えば、避難経路が確保されていない、安全な構造になっていないとなれば、火事や地震、台風が起こったときに人命に関わる重大な危険性へとつながってしまいます。また、道路や駐車場を勝手に占拠していたり店舗として増床や増築していたりすると、緊急車両が通れない等の被害につながったり、そこから発生する煙や悪臭などがあれば周囲の環境被害へとつながる恐れがあります。そういった緊急の必要がある場合は一連の手続きを経なくても使用禁止などの命令=強制執行をすることができます。

所有者である借り主ばかりにペナルティが課せられるわけではありません。
もちろん関係業者にも行政処分が行われます。
 □設計した建築士
 □工事をした建設業者や工事の請負会社(現場監督)
 □宅地建物取引業に係る取引をした業者


違反建築にならないために
違反建築をしたらこんなお仕置きがありますよ、ということを中心にお話ししましたが、“お仕置きがあるから違反をしない“ではなく、”構造上の問題や周囲とのトラブルにならないために違反をしない“、また”自分の財産が違反建築にならないために違反をしない“という心持ちで皆さんお店を作ってほしいと感じました。

福岡市役所の建築審査課の方もおっしゃっていました。
違反にならないよう気をつけてもらいたい。もし違反建築になってしまったら、建築審査課へ相談に来てもらいたいとのこと。
福岡市全部の店舗を回って検査するのは大変ですからね…さすがに…。

なお、福岡市による定期検査としては、映画館、大型飲食店、物販関係、共同住宅の所有者(責任者)に「定期報告」を提出してもらい、確認しているとのことです。3年に1回提出する義務があります。
また、福岡市消防局と共同で立入検査をすることもあるそうですが、福岡市住宅都市局としては回数は少ないそうです。

次回は福岡市消防局の方へお話を聞きに行ってきます。











※写真は参考写真です(福岡じゃなくて、パリだし…)

「お店のフシギ研究所」見習研究員 久志晃子